GO FOR KOGEI 2025
GO FOR KOGEI 2025

EVENT

イベント

【終了】GO FOR KOGEI サテライト[ 朝倉毅・白井渚・多賀直 ]supported by MUFG工芸プロジェクト

  • 無料
  • 展示
    • 朝倉毅

    • 白井渚

    • 多賀直

    「GO FOR KOGEI サテライト supported by MUFG工芸プロジェクト」は、GO FOR KOGEI 2025のオープニング期間に合わせ、金沢ゆかりのアーティストを紹介していく期間限定の特別展示企画である。Pauseでは、朝倉毅、白井渚、多賀直の3名の作品を紹介する。

    朝倉は、主に「治具」を用いた絵画表現に取り組んでいる美術家である。治具とは、一般に加工や組立の際に部品や工具の位置を固定あるいは誘導する補助工具を指すが、朝倉は自らの描画行為を制限し、同時に拡張する装置として用いている。この治具への関心は、美術家としての活動に加え、展覧会の設営作業や図画工作講師としての経験に根ざしている。こうした「美術」の周縁に位置付けられる要素を、絵画表現の中心へと導入することが朝倉の特徴であろう。自作した治具によって、描くという行為は本来の目的を逸脱し、作者の意図とは異なる方向へと導かれる。その意図と無意図の揺らぎの中から作品は立ち上がる。絵画における物質=身体、あるいは作者=対象=作品といった関係性を、ユーモアを帯びたパフォーマンスを通じて転倒させながら、朝倉は絵画表現の拡張を試みている。

    白井は、伝統技法「墨流し」を独自に昇華した技法「霧流し」を用いて、静謐な器を制作してきた。2021年より、鞄やぬいぐるみなどを模した造形に、数百から数千ものカタカナの文字を張り付けた《コトエリ》シリーズの制作を開始した。同シリーズは、日常生活の中で作家自身の心に積もる、言葉にならない感情や、行くあてのない言葉を、身の回りにあるカタチにまとわせた作品群である。行き場のない言葉あるいは言葉ならざるコトバを留める、ある意味で新たな「器」ということもできるだろう。また、九谷焼の絵具で彩られた作品は、一瞥するとカラフルかつポップな様相をしているが、ネット上で日々飛び交う言葉に対する批評性を読み取ることもできる。

    多賀は、ファッションをはじめとするストリートカルチャーに着想を得た立体作品を手掛ける漆芸家である。自らが着用していた衣服や再利用可能な素材を用いる点が特徴的だが、それは単に昨今の社会的要請に応えるものだけではなく、漆と真摯に向き合おうとする彼自身の制作態度に起因する。漆を学ぶ過程で、多賀はスタイロフォームを原型に使用していた。しかし、天然素材と合成素材との不調和、さらに制作後に原型が廃棄せざるを得ないことへ違和感を抱き、素材や制作手法の見直しに至ったという。等身大の自画像として制作した《age 2022-23》は、その主題となる人物そのものはあえて造形されてはいない。自らの生命を木の血液とも言える漆に託し、過去に着ていた衣服が形づくる「空洞」に自己の存在、あるいはその現在性を投影させているのだろう。


    GO FOR KOGEI サテライト supported by MUFG工芸プロジェクト
    金沢21世紀美術館に近接する「柿木畠(かきのきばたけ)」を舞台に展開する、群島型の展示企画である。2021年以降、GO FOR KOGEIは北陸各地の歴史や文化を象徴する場で展覧会を開催してきており、本サテライト展示では、その理念を継承しながらも、より地域性(ローカリティ)を体感できる場の創出を目指している。
    会場となる柿木畠は、江戸時代に「火除地(ひよけち)」として整備され、そこに植えられた柿の木が地名の由来とされている。現在も金沢城の外堀に沿って水の流れを感じられる場所であり、用水沿いには個性豊かなギャラリーや飲食店が軒を連ねている。文化的な魅力が集約されたこのエリアは、現代の金沢を象徴する風景のひとつと言えるのではないだろうか。GFKサテライトでは、金沢にゆかりのあるアーティストを紹介し、この地に息づく文化の多様性と創造性を広く発信していく。

    イベント概要

    日程|
    9月12日(金)‒9月15日(月・祝)
    時間|
    11:00-21:00
    会場|
    Pause(石川県金沢市柿木畠4-6)
    料金|
    無料

    PROFILE

    参加作家・店舗情報

    朝倉 毅|

    Asakura Tsuyoshi

    1998年北海道生まれ。2023年に金沢美術工芸大学大学院修士課程(絵画専攻)を修了。現在は金沢市を拠点に制作を行う。主な展覧会に、個展「roundabout/scaleback」(芸宿、2021年 石川県金沢市)、グループ展「ゆきどける—『アートより除雪』から分化する、6人の視点」(第12回500m美術館賞入選作品 札幌市大通地下ギャラリー500m美術館、2025年 北海道札幌市)がある。受賞歴に、「第12回500m美術館賞」入選(2024年)。

    詳しく見る

    白井 渚|

    Shirai Nagisa

    1991年栃木県生まれ。瀬戸市新世紀工芸館にて研修後、2022年に金沢卯辰山工芸工房を修了。現在も金沢を拠点に制作活動を続けている。主な個展に、「だれかの日常」(縁煌、2023年)のほか「シライナギサ展」(atelier & gallery creava、2020年)など。受賞歴に、「第54回女流陶芸公募展」入選(2021年)や「第76回金沢市工芸展」招めいてつ・エムザ社長賞(2019年)、「第57回日本クラフト展」入選(2017年)がある。

    詳しく見る

    多賀 直|

    Taga Nao

    1999年北海道生まれ。2023年に金沢美術工芸大学工芸科を卒業。現在は、金沢卯辰山工芸工房にて制作を行なっている。主な展覧会に、個展「Preface」(GALLERY b. TOKYO、2023年)のほか「SICF25」(スパイラル、2024年)、「次世代を担う工藝作家の萌し」(草志舎、2024年)など。受賞歴に、「リサイクルアート展」優秀賞(2023年)や「金沢美術工芸大学卒業制作展」招聘審査員特別賞がある。

    詳しく見る

    Pause

    柿木畠にある古民家をリノベーションしたクリエイティブスペース。アジアンヌードルキッチンやアパレルショップ、ギャラリーが共存。ファッションやアート、音楽など様々なカルチャーが交差するイベントやポップアップも開催されている。

    詳しく見る